推定計算
過払い金返還請求は、まず債権者に過去の取引履歴の開示請求を行い、それを基に利息制限法による引き直し計算をし、過払いが発生しているかを算出します。
その際、債権者側があまりに古い履歴はすでに破棄していたり、すべて保管しているにも関わらず故意に開示しないなど、取引履歴の一部しか取り寄せられない場合があります。
そのようなときに有効なのが推定計算で、債権者が開示した取引履歴の一部や債務者が所持していた領収証、債務者本人の記憶に基づいて取引を再現し、計算する方法です。
万が一を想定して、債務者が以前から領収証などをすべて保管していればいいのですが、これについても一部しか残っていないことがほとんどです。
そのため、推定計算を行う際には債務者本人の記憶を頼りに行う部分が多くなります。
この記憶の正確性は、本来であれば、債権者からすべての取引履歴を取り寄せられれば、推定計算を行わずに済んだため、そこまで正確である必要ありません。
もし、実際の金額とよほど違いがあれば、債権者から指摘がありますので、そのときに変更すれば問題ありません。
このような推定計算を行うことで、取引履歴が揃わなくてもおおよその金額で話し合いを進めることができます。
ですが、推定計算は通常の引き直し計算よりも難しく、個人で行うには手間がかかる上に、債権者が素直に交渉に応じないことも多いですので、あらかじめ弁護士に依頼して確実に返還してもらうようにしましょう。